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2009年の活動

平成21年11月度 研修会

「日常臨床に生かす接着修復」
【日時】  平成21年11月28日土曜日 午後5時開催午後7時30
分まで
【場所】  「広島エソール2階」県歯科医師会館となり
【講師】  平山 聡司 先生

【講演内容】
接着修復材料の進化によってMI(minimalintervention)の実践が可能となり、齲蝕治療への取り組み方が大きく変わりました。しかし、「最小限度の外科的侵襲で治療する」ことは、考えてみれば医科では常識ではあり、医療において当たり前のことと言えます。
このMI実践のためには、今まで修復物が適合するように窩洞形成をしていた修復学から、「齲蝕治療」とそれに伴って生じた実質欠損に対して接着を生かしておこなう「修復処置」とを立て分けて考えることが必要となります。
約10年以上前に歯学部を卒業した歯科医師にとって、MIを支える「接着修復」という比較的新しい学問に関して言えば、象牙質接着についての講義や実習を卒前教育の場で受けていなかったのが実状です。したがって、接着についての基礎的な教育を受けていない臨床家の多くは、日々の診療の中で、少なからず不安を感じながらも接着修復の何たるかを手探りで学びつつ、確信を得られぬまま実践しているのではないでしょうか。
言い換えれば、治療の対象となる齲蝕の病理を再認識し、良好な歯質接着を得るための十分な知識がなければ、最良の結果を患者に与え、
接着歯学の恩恵を享受することはできないといえるでしょう。
 そこで、今回の講演では
①齲蝕治療のあり方とMIの基本概念
②確実な接着を得るための知識とテクニック
③どのボンディングシステムを選べばよいのか?2ステップと1ステップボンディングシステムの長所と問題点
④接着修復に必要なアイテム
⑤接着修復の幅広い臨床例の提示など、明日からの臨床に役立つ接着修復法についてお話を致します。

【講師略歴】
講師 日本大学松戸歯学部う蝕抑制審美治療学講座准教授 平山聡司 
昭和34年1月6日生
昭和60年3月 日本大学松戸歯学部(9期)卒業
昭和60年11月 日本大学松戸歯学部保存修復学講座 助手
平成7年7月 博士(歯学)・(日本大学)
平成8年 4月 日本大学松戸歯学部保存修復学講座 専任講師
平成10年5月~平成12年6月 日本大学長期派遣研究員としてアメリカ合衆国NationalInstitute of Standards & Technology(NIST),ADAパッフェンバーガー研究所に骨補填用リン酸カルシウムセメントに関する研究で客員研究員として留学。
平成13年7月 日本歯科保存学会保存治療認定医
平成16年3月~9月 (株)ライオンクリニカ薬用デンタルリンスのTVコマーシャルで田中律子さんと共演。
平成17年2月 日本歯科理工学会Dental MaterialAdviser
平成19年3月 日本大学助教授(現在は准教授) 松戸歯学部う蝕抑制審美治療学講座
<所属学会>
日本歯科保存学会、日本歯科理工学会、日本歯科色彩学会、IADR

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平成21年9月度 研修会

「臨床30年の経験でえた事Evidenceとの融合」
【日時】  平成21年9月5日土曜日 午後5時開催午後7時30分まで
【場所】  広島県歯科国保組合会館2階
【講師】  村辺 均 先生
【講演内容】
私は臨床30年間で多くの著名な先生方からいろいろな勉強をさせて頂きました。
今回の講演ではペリオ、インプラントに関してのお話が中心となりますが、基本はJIADSの小野善弘先生、宮本泰和先生から学ばせて頂いた事が根底にあります。LongevityCleansabiltyPredictalilityを成し遂げ機能的にも審美的にも満足出来る結果を得る事が出来るのかを考えたいと思います。
第一に天然歯に対する硬軟組織への考察と臨床結果をお話しさせて頂きます。特に成人矯正を行うときの注意点を審美的な立場と歯肉,骨の問題を考慮しての処置に付いてお話をさせて頂きます。
今回は臼歯の処置は通常の代表的な例を掲示させて頂き、前歯に付いて述べさせて頂きたいと思います。天然歯に対する再生療法を通じてインプラントGBRへの考えを症例を通じて考察したいと思います。
前歯インプラントにおいて隣接する2本のインプラントをターナーの論文・ネビンスの論文を考察しながら考えて行きたいと思います。
最後に今ある骨を如何に残すかの方が骨を作るよりも難しく、大切かを考えています。
しかし、一番大事な事はスタッフ力であり、私の現在行っているスタッフ教育は写真撮影をとうして行っており、全ての写真はスタッフ全員が撮影した物ですので評価をして頂きたいと思います。

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【講師略歴】
1980年 日本大学歯学部卒業
1982年 南カリフォルニア大学歯学部DR,LEVINに師事(可撤性義歯)
1983年 福島県保原市高野歯科医院勤務
1985年 茨城県ひたちなか市に開業
2004年 ロマリンダ大学DR,KAN師事

TipEdge矯正研究会理事
臨床歯周病学会認定医
日本歯周病学会会員
AO会員
AAP会員
CTG主宰

平成21年5月度 研修会

「食べること 生きること ~命を支える歯科医療~」
【日時】  平成21年5月30日土曜日 午後6時開催午後8時30分まで
【場所】  講演会場「エソール広島」(2階多目的ホール)
【講師]】東京都新宿区北新宿開業代表 ふれあい歯科医院 五島朋幸先生
【講演内容】
現代日本の一つの大きなトピックは、「長寿社会」になったことです。
これは、十分な栄養状態が保てる平和な社会がきたというだけでなく、医学の飛躍的な進歩が貢献していることは疑いようもありません。しかし、誰もが願う不老長寿に近づいた「長寿社会」であるにもかかわらず、なぜか社会に歓迎ムードがありません。むしろ、急速な高齢化は社会問題として捉えられるようになりました。それならば、いったい医学の進歩とは何だったのでしょうか。
 人間の口の機能はいくつかあります。食べること、話すこと、息をすること。いずれも人間が人間らしく生きるために必要不可欠な機能で
す。しかし、これまでの医療は口を大切にしてきたでしょうか。病気ばかりに目がいき、”ひからびた”口にしていなかったでしょうか。口を粗末にするということは生活を粗末にするということです。生活を軽んじた医療が人に優しい医療であるはずがありません。
口を大切にする医療こそが日本の高齢社会に明るい光を照らすかもしれません。
 歯科は口腔機能のプロフェッショナルです。われわれ歯科は社会に大きく貢献できるはずです。チューブにつながれ、生かされていた
方が、スプーン一杯のゼリーを飲み込めたときから生気を蘇らせました。数年間しゃべられなかった方が懸命の口腔ケアによって言葉を取り戻しました。そこには、命を支える歯科医療がありました。

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【講師プロフィール】
昭和40年広島県生まれ。平成3年日本歯科大学歯学部卒業。
平成9年から訪問歯科診療に取り組む。平成15年よりふれあい歯科ごとう代表。
ラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」のパーソナリティー。作家。
ふれあい歯科ごとう代表。博士(歯学)。
日本歯科大学歯学部非常勤講師、
日本歯科大学東京短期大学歯科衛生士科非常勤講師、
慶應義塾大学大学院非常勤講師、
日本プライマリ・ケア学会 学会誌編集委員・評議員、
NPO法人 生と死を考える会 理事等。

著書に、
「食べること生きること ~介護予防と口腔ケア~」(北隆館)(監修・著)、
「誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアと腸管免疫の重要性」(オーラルケア)、
「安全においしく食べるためのガイドブック」(オーラルケア)、などがある。
「かいごの学校」、「ゆったり」、「CLスマイル」、「地域ケアリング」、「おはよう21」、「歯科衛生士」などの雑誌で連載をもつ。
平成19年3月、病気のために口からうまく食べられなくなった人に,なんとかして「食べる喜び」を再び感じてもらいたいと奮闘する熱血歯
科医師の情熱と,そうなることを願って一生懸命支える家族の愛を描いた感動の物語「愛は自転車に乗って-歯医者とスルメと情熱と-」(一橋出版)で作家デビュー。
「家に帰りたい2」(2000年7月 テレビ東京系)、
ザ・ドキュメンタリー「食べて欲しい…-歯医者さんが走るー」(2006年8月テレビ東京)、
報道の魂「食べることは生きること」(2007年5月 TBS)、
「生活ほっとモーニング」(2007年4月 NHK)、
「おはよう日本」(2007年5月NHK)などのテレビ出演がある。
平成17年9月5日、毎日新聞「ひと」にて紹介される。

平成21年2月度 研修会

開業医における難治性の歯痛を考える ―口・顔・頭の痛みが以来と非歯原性歯痛についてー

【日時】 2月21日(土)17:00~19:30

【場所】 クラウンプラザホテル広島 3階宴会場(旧広島全日空ホテル)

【講師】 日本大学松戸歯学部専任講師 小 見山 道 先生

【講演内容】

日本大学松戸歯学部では,平成18年の4月より新病院棟が稼働いたしました.
そこでは,電子カルテシステム等,数多くの新しい試みが始まっていますが,その中でも特筆すべきことがあります.それは従来の診療科に加えて,顎脳機能センターを発足し,口・顔・頭の痛み外来,摂食機能リハビリテーション外来,脳ドック外来,歯科人間ドック外来という4つの外来を新設したことです.私はその中でも口・顔・頭の痛み外来(略称:痛み外来)に携わっておりますので,その外来のシステム等について今回少しご紹介いたします。

また,この痛み外来では,いわゆる顎関節症から,各種神経痛等の口腔・顔面領域に関連する,痛みを有するすべての患者さんに対処しております.当然そこには頭痛も含まれており,緊急を要する脳の問題が生じる可能性も否定できません.そこで,脳神経外科のドクターと共同で診察することで確かな診断を得る仕組みになっております。

頭痛や特殊な痛みに対する外来となると,開業医でいらっしゃる皆様には縁がないと思われるかもしれません.しかしながら我々は,皆様が臨床で遭遇される非歯原性の歯痛を生じうる疾患(歯が原因ではないにもかかわらず,歯に痛みを感ずる疾患)に関しても日々対処しております。日常臨床において、根管治療で患者さんの痛みが改善されないというお悩みをお持ちの先生も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?また、患者さんから違和感が消えないと執拗に訴えられることもあるのではないでしょうか?つきましては,そのあたりの皆様との接点について,非歯原性歯痛など、症例の供覧を交えながら,お話させていただこうと考えております。

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【講師ご略歴】
平成元年 日本大学松戸歯学部卒業
平成2年 総義歯補綴学講座入局
平成13年 日本大学助手(総合歯科診療学)
平成15-17年 ベルギー王国留学
平成17年より口腔機能学講座専任講師 現在に至る
2007年保存学会抄録より

側頭筋へのトリガーポイントインジェクションにより上顎小臼歯根尖相当部の鈍痛を診断した2症例 ~非歯原性の慢性歯痛に対する診断法と処置方針~
○橋爪 英城1、小見山 道2、牧山 康秀2、平山 晃康2、村田 
晃子1、喜多詰 規雄1、田中みどり1、松島 潔1
1.日本大学松戸歯学部歯内療法学教室2.日本大学松戸歯学部付属病院顎脳機能センター 口・顔・頭の痛み外来
Two cases of heterotopic pain, felt as toothache of maxillary premolar,referred from anterior temporal muscle -Diagnosis
and treatment for heterotopicdull pain
○Hideki Hashizume1, Osamu Komiyama2, Yasuhide Makiyama2, TeruyasuHirayama2, Teruko Murata1, Norio Kitazume1, Midori Tanaka1 and KiyoshiMatsushima1
1. Department of Endodontics, Nihon University School ofDentistry a Matsudo
2. Orofacial Pain Clinic, Nihon University School ofDentistry at Matsudo

【緒言】
咀嚼筋の筋・筋膜痛に起因する関連痛としての歯痛は、非歯原性歯痛において最も頻繁であるとされるが、そのメカニズムの解明や診断方法の確立はなされていない。今回、歯痛の訴えに対して、保存的歯科治療が奏功せず長期経過をたどった後、側頭筋へのトリガーポイントインジェクション(リドカイン)により診断された2症例を報告する。
【症例1】
28歳女性。主訴は「約1年前から上顎左側第二小臼歯の治療を受けているが痛みがとれない」。平成18年5月19日当院を受診し、保存科で慢性根尖性歯周炎と診断して同日感染根管処置を行った(自発痛あり、排膿なし)。マイクロスコープにて穿孔や破折線等は認めず、根管治療および再植術を実施したが奏功しなかった。
【症例2】
57歳女性。主訴は「2年前に他院で上顎左側第一小臼歯の抜髄処置を受けたが違和感が続く」。平成18年9月27日当院を受診した。疼痛は持続痛で、VisualAnalogueScaleは2-3/10、また当該歯根尖相当部への麻酔診で疼痛の変化はみられなかった。
【処置・経過】
以上の2症例を「痛み外来」にて診査したところ、2例ともに左側側頭筋に圧痛を認め、その際左側小臼歯部根尖相当の痛みが誘発された。さらに左側側頭筋へのトリガーポイントインジェクションにて疼痛は減弱されたため、「筋・筋膜痛による歯痛」と診断した。局所の炎症軽
減のためのNSAIDSと筋弛緩剤の投薬、患者自身による側頭筋のマッサージ、くいしばり防止のため軟性マウスピースの作成を行ったところ、症状の軽減を認めた。現在も経過を観察中である。
【結論】
急性歯髄炎による歯痛錯誤と異なり、咀嚼筋の筋・筋膜痛からの関連痛による歯痛は、原因が分からずに出口の無い根管治療を長期続けるケースは少なく無い。症状は長期間続き、時に激烈であることから患者の希望もあり抜歯になる場合もある。今回行ったトリガーポイントインジェクションによる筋性非歯原性歯痛の診断法は基質的な原因を明らかにする上で極めて有効であった。また上顎小臼歯部に持続痛が出現し、明確な歯科疾患が認められないケースでは、側頭筋からの関連痛の可能性を検討する必要があると考えられた。

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