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2010年の活動

演題 「日常臨床で遭遇する難症例への対応-20年の臨床経験から-」

講師 石垣 佳希 先生
    日本歯科大学歯科麻酔・全身管理科准教授
【開催日時】 平成22年11月13日土曜日
【講演時間】 午後5時~午後7時30分
【講演会場】 広島エソール2階

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講演内容
この度,貴会より講演の機会を与えていただきました.その際に「テーマは1つに絞らずにバラエティに富んだ内容を」とのリクエストを頂戴しました.
現在私は日本歯科大学に奉職すること20年になりますが,その間に専門性のある診療科・診療センターにいくつか所属してきました.そこでは診断や対応に苦慮したさまざまな症例を経験してきましたが,そのほとんどが紹介患者さんです.裏を返せばこれらの症例の中には皆さんが日常臨床の中で遭遇する可能性も十分あるということになります.
今回はそれぞれ経験の中からお話をさせていただく予定です.
1)口腔外科専門医の立場から
2)顎関節症の原因は?
3)有病者歯科医療のトピックス
4)インプラント手術の偶発症と対応
5)歯科治療時の救急処置
2時間の中では総論的な内容になってしまうかもしれませんが,先生方の日常臨床の一助となればと考えております.

略歴
1990年 日本歯科大学歯学部卒業
1994年 日本歯科大学大学院(口腔外科学)修了
2000年 日本歯科大学歯学部口腔外科学教室第1講座 講師
2008年 日本歯科大学附属病院歯科麻酔・全身管理科 准教授
    インプラント診療センター併任(~現在)
    ハイリスク診療センター併任(~現在)
    顎関節症診療センター併任(~2007年)

(社)日本口腔外科学会 専門医
日本顎顔面インプラント学会 評議員,指導医
日本有病者歯科医療学会 評議員,指導医
World Congress of Oral Implantology 評議員
Journal of Oral Science 査読委員

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演題 「MI修復の実践に向けて -マトリックスとレイヤリングを使いこなす-」

講師 平山 聡司 先生
【開催日時】 平成22年7月10日土曜日
【講演時間】 午後4時~午後7時30分
【講演会場】 広島エソール2階

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講演内容
「MI修復の実践に向けて -マトリックスとレイヤリングを使いこなす-」
 昨年11月の学術講演会では、「日常臨床に生かす接着修復」とのテーマでいわゆる接着修復に関する理論編を行いました。本年はそれを踏まえて、MI修復を実践する上で避けて通る事のできない各種マトリックスの巻き方、レイヤリングテクニック、物性や操作性が向上したフロアブルレジンの使い分けを実習形式で行います。
MIの実践にはコンポジットレジンを用いた修復が第一選択ですが、健康保健制度の下では点数評価がたいへんに低いのが現状です。したがって、レジン充填に関わる器材のコストとマトリックスを巻くストレスを思うと、ついメタルインレー修復を選択してしまう事がいないでしょうか?そこで、コンポジットレジン修復に関わる診療点数や診療時間を考えた場合、いかに効率的かつ経済的に充填処置を行うかがカギになります。
今回の研修会は、明日からの日常臨床に生かすことができるようマネキン・顎模型、抜去歯を用いて以下の内容で行って参ります。
 ①Ⅱ級直接コンポジットレジン充填におけるマトリックス装着の勘所
 ②頬側から口蓋側に突き抜けたⅢ級窩洞やⅣ級窩洞をきれいに充填するためのマトリックスの巻き方とオペークレジンペーストを用いたレイヤリングテクニック
 ③浅い皿状のくさび状欠損をストレス無くきれいに充填するためのフロアブルレジンの活用
 今回の研修会が、明日からの日常臨床に生かすことができるようマネキン・顎模型、抜去歯を用いて行って参ります。

講師略歴
昭和34年1月6日生
昭和60年3月 日本大学松戸歯学部(9期)卒業
昭和60年11月 日本大学松戸歯学部保存修復学講座 助手
平成7年7月 博士(歯学)・(日本大学)
平成8年 4月 日本大学松戸歯学部保存修復学講座 専任講師
平成10年5月~平成12年6月 日本大学長期派遣研究員としてアメリカ合衆国
National Institute of Standards & Technology(NIST), ADAパッフェンバーガー研究所
に骨補填用リン酸カルシウムセメントに関する研究で客員研究員として留学。
平成13年7月 日本歯科保存学会保存治療認定医
平成16年3月~9月 (株)ライオン クリニカ薬用デンタルリンスのTVコマーシャルで田中律子さんと共演。
平成17年2月 日本歯科理工学会Dental Material Adviser
平成19年3月 日本大学助教授(現在は准教授) 松戸歯学部う蝕抑制審美治療学講座
<所属学会>日本歯科保存学会、日本歯科理工学会、日本歯科色彩学会、IADR

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演題 「根管治療のゴール」

講師 橋爪 英城 先生
【開催日時】 平成22年5月22日土曜日
【講演時間】 午後5時~午後7時30分
【講演会場】 広島エソール2階

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【講演内容】 
根管治療のゴール
『だれか根治だけやってくれないかな・・・』こんな悩み、誰もが一度は考えたことがあると思います。悩みの種は、根管が見つからない、あかない、穿孔した、どこも悪くないはずなのに痛みが消えない、排膿が止まらない… など枚挙にいとまがありません。
なぜ根管治療はこんなに多くの悩みを抱えるのでしょうか?
従来の根管治療は教科書に載っているアクセスキャビティーと根管の解剖学的形態を頼りに、手指感覚や経験のみで行っているからなのです。しかし、歯の形や根管の形態は十人十色、一つとして同じものはありません。ではあかない根管はどうしたら良いのでしょうか?また大きな病巣や排膿が止まらない根治はいつになったら終わるのでしょうか。
こんな患者にはどう対応すればよいのでしょうか?
抜髄後いつまでたっても痛みや違和感が消えず、治るあてもなく根管洗浄と根管貼薬を繰り返す…そんな患者の来院日は本当に憂鬱なものです。また、齲蝕など異常所見が無いのに『どうしても痛い』、というから抜髄したら痛みがさらに強くなり、他の歯まで痛いという患者。上記の様な症状を抱えながら、他院のハシゴをして自分のクリニックに来院した時の先行きの不安感。
カーナビのように最短距離で根管充填まで導いてくれる良策は無いのでしょうか?
そこで今回、”根管治療のゴール”と題し、私が経験した難症例を織り交ぜながら、根管治療終了までの近道をご紹介させていただきたいと思います。

1.穿孔しない根管の見つけ方
2.あかない根管はどうするか
3.湾曲根管への対応
4.抜髄後に痛みを出さない治療
5.難治性の排膿や痛みの原因と対処方法
6.非歯原性歯痛の落とし穴、その診断と対処方法
-最新の根管治療:CT、マイクロスコープで何ができるのか-
7.破折リーマーの除去
8.解剖学的異常のある歯の根管治療:樋状根、歯内歯

国民皆保険、世界でもまれに見る高い完成度、と言われる我が国の健康保健制度。しかし根管治療ほどその重要性、煩雑性、に対する対価が低い保険診療はありません。欧米では根管治療は最も高価な歯科治療の一つであり、その重要性は社会全体で認識されています。そんな中、昨今日本でも「ラバーダムや顕微鏡を使った根管治療はどこの歯科医院で受けられるのでしょうか?」といったニーズがあることも事実です。適切な根管治療によって痛みを軽減し、歯の寿命を伸ばすことは患者との真の信頼関係を生むための近道の一つではないでしょうか。

講師略歴
平成1年3月25日 日本大学松戸歯学部卒業
平成5年3月25日 日本大学大学院松戸歯学研究科修了 博士(歯学)
平成5年4月 1日 日本大学助手
平成8年3月28日 日本大学海外派遣研究員
トーマスジェファーソン大学 (フィラデルフィアUSA)
ロッシュバイオサイエンス(パロアルト USA)
平成13年4月1日 日本大学講師(専任扱)
平成19年4月1日 日本大学専任講師(歯内療法学)
平成22年4月1日 日本大学兼任講師(口腔インプラント科)
            ホワイトデンタルグループ 葛飾院院長
平成11年7月1日 日本歯科保存学会保存治療認定医第710号

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演題 「いびきは健康のシグナル」

講師 小谷博夫先生(広島県開業)
【開催日時】 平成22年2月20日土曜日
【講演時間】 午後5時~午後7時30分
【講演会場】 広島エソール2階
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講演内容
 閉塞感があると言われている歯科界の中で、新しい分野への方向性が模索されています。日常的に行われているインプラント治療をはじめとした外科的治療は、もちろん、保存治療や補綴治療の多くは、所謂、外科的歯科治療と言えるでしょう。術前検査・診断、治療、治療後の術後検査、メンテナンスと言った一連の流れによる内科的歯科治療は、歯科界では、十分に浸透しているとは言えない状況にあります。このような内科的歯科治療は、重要な新たなアプローチとなるに違いありません。現状では、多くの分野で、手付かずの状況なのです。今回は、「いびきは健康のシグナル」と題して、全身の健康と睡眠との関わり、歯科からの対応について触れたいと思います。
また、いびき・閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive SAS ; OSAS)への対応と課題について、いびき治療を見直してみたいと思います。注目されているのは、睡眠時無呼吸症候群ですが、私たちの治療対応はそれだけではありません。患者人口2500万人以上とも言われる疾患に対して、歯科からのアプローチが有効であるとしたら・・・
歯科への国民の負託も大きくなり、歯科の必要性も高まるに違いありません。
パラデンタルスタッフの方々の認識をも高め、歯科医院の特性を作りませんか?

講師略歴
1976年 愛知学院大学歯学部卒業
1981年広島大学大学院歯学研究科修了
1981年 小谷歯科医院開業
     その後、日本歯科補綴学会認定医・指導医・広島大学非常勤講師、広島県歯科医師会常務理事など歴任
主研究テーマ
睡眠呼吸障害、睡眠時無呼吸症候群、Bruxism、顎口腔機能に関する研究

著書
顎口腔機能分析の基礎とその応用-ME機器をいかに臨床に活かすかー(分担執筆)
さまざまな顎関節症(分担執筆)バイトプレート療法そåこが知りたい生理義歯づくり(分担執筆)主訴別義歯経営(分担執筆)睡眠時無呼吸症候群~医科・歯科医療連携による臨床対応~  など
SAS関連報道
1.テレビ報道1) 睡眠時無呼吸症候群に新兵器登場~睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療~広島ホームテレビ, OCT.,2003.2 ) いびき・睡眠時無呼吸症候群~最新治療に完全密着~中国放送, NOV.,2003.3) いびき治療に朗報中国放送, APL .,2004.
2.新聞報道1) 睡眠呼吸障害に歯科的治療~マウスピースより小型に~中国新聞,OCT.,2003.2) ご存知ですか? 睡眠呼吸障害~よりよい眠りでより健康に~毎日新聞,FEB.,2004.3) 睡眠時無呼吸症候群簡単な装置で歯科医が検査中国新聞,Jan.,2005.
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